長崎県立島原農業高校

長崎県立島原農業高校


https://www.nagasaki-np.co.jp/kijis/?kijiid=1052032162980773960

この取組について

                 〈レモッタとレモドル〉

 「島原半島産レモンで地域活性化を」地元産レモンの果汁を使った洋菓子と、搾った後の果皮を色彩に再利用した和ろうそくの商品化に成功した約2年間の試行錯誤を、8月9、10日に島原市で開催された九州学校農業クラブ連盟発表大会で発表しました。発表テーマは「島原半島産レモンで地域活性化プロジェクト~SDGs活動と和ろうそく文化の継承~」。資源活用や地域振興に関する「プロジェクト発表Ⅲ類」で最優秀賞を獲得しました。

実際の取組内容

      〈「はじめ農園」からのレモンの提供〉

 南島原市南有馬町のかんきつ栽培農家「はじめ農園」から減農薬で育てたレモンの提供を受け、2021年4月から研究を進めました。取り組んだのは爽やかな酸味のレモン果汁入りタルト「レモッタ」。サクサクとした生地の上に、クリームとムースの2層の食感が楽しめるタルトで、2022年7月に完成しました。チーズなど乳製品を作る際の副産物で通常は廃棄される「乳清(ホエイ)」もクリームに活用してこくを出し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に配慮しました。レモッタは、洋菓子店「梅月堂」(本店長崎市)と連携し、各店で販売されています。

 2022年7月からは、果汁を搾った後の果皮も利用できないかと、旧島原藩伝統の和ろうそくへの活用を考えました。当初は、ハゼの実から精製されるろうの油分とレモン果皮の色素抽出液の水分がなじみませんでしたが、和ろうそく製造業「本多木蝋工業所」(島原市)のアドバイスを受け、果皮を乾燥させパウダーにしたことで克服し、レモン色の和ろうそくに仕上がりました。「レモドル」の商品名で2023年3月から、島原城の土産品店や同市内の直売所で販売されています。

メッセージ

 九州ではまだ島原の農業について知らない人も多いと思うので、レモッタをきっかけにしてPRしていきたいです。和ろうそくの作り手が少なくなっていることなど、地域の課題も知ることができたので、大学で食品開発についてさらに学びたいです。

                           【令和5年7月13日付長崎新聞より】