この取組について
〈公開講座の様子〉
「研究」「キャリアアップ」「医療による社会貢献」など、明確な目的やビジョンをもって働く女性医師たちが長崎県下にもたくさんいらっしゃいます。そのキャリアの途中で出産・育児など、仕事と生活の両立は切実な問題であり、より働きやすい環境が求められます。この数年、仕事が続けられるような仕組みはできています。そうなった今、女性医師がしなければならないことや、必要なことは、社会に対して責任をもって仕事をし、行動を起こすことだと考えて活動しています。
実際の取組内容
〈楠本イネ女史の墓参の様子〉
女性医師たちが働きやすい環境づくりについては、長崎県福祉保健部医療人材対策室と長崎大学病院メディカルワークライフバランスセンターによる「あじさいプロジェクト(http://nagasaki-ajisai.jp/)」に協力する形で取り組んでいます。
1 市民公開講座の開催
女性医師がより貢献できる分野に関する医療問題を取り上げて、一般の方への情報提供をするとともに、女性の健康について考えてほしいと思っています。
2 女性医師の功績について
2018年から、毎年8月の最終土曜日に楠本イネ女史の墓参を続けています。
2019年映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」の上映会を開催しました。
※荻野吟子さんは、日本における最初の国家資格をもった女性の医師で、女性運動家でもありました。
3 他の団体との連携運動
2021年「生理の貧困」対策ながさき・プロジェクトの賛同団体として活動に参加しています。
2020年3月”AYA*Week2020”でオンラインシンポジウム開催「※AYA世代のがんについて考える」
※AYA世代:Adolescent and Young Adultの略。思春期・若年成人世代(15~39歳)を指します。
メッセージ
〈市民公開講座の様子〉
西洋医学発祥の地である長崎には、その医学について知ることができる場所がたくさんあります。シーボルトの娘である楠本イネ女史は、男性たちに交じって医学を学んだものの、当時は女性が医師になることは認められず、産婆(現在の助産師)として生涯を終えました。それでも、出産・分娩で命を落としたり、男性による暴力の被害にあったりする女性たちを救いたいと思って、最後まで医術を続けた楠本イネ女史のことを長崎人として知ってほしいと思います。また、医学にかかわろうと思う人はもちろん、そうでない人も、医療や健康の問題は生きるために大切なことであり、お互いを大切にする基本です。
すべての人の「いのち」を大切にするということをいつも考えてほしいと思います。それは、環境にも、平和にもつながっていきます。